あの夏の日（３/５）（R18)

「ん……、っん……」

　少しずつ深くなる口付けの狭間に、村上の声が漏れる。慎治は村上の唇に酔ったように村上の唇を貪り、唇を重ねたまま夢中で村上の衣服を剥ぎ取った。

　裸で抱き合い、その肌を確かめるように掌を添わせる。少しずつ昂ぶってゆく村上の表情を時折見遣りながら、村上の身体に余す所なくキスを落としてゆく。

　二度目はないかも知れない。それでも、だからこそ村上を、村上の身体の端々まで暴いて記憶に残しておきたかった。

　耳の後ろに口付けると、村上の背がしなった。肋骨の一本一本にキスすると、その度村上の腹が小さく震えた。背中に、ほくろが二つ。内腿には、子供の頃木登りに失敗した、と以前村上が話していたその時できたらしい傷跡があった。

　念入りに、丁寧に後孔を解して、村上の中に己を収めた。緩く、抽送を始める。奥を拓く度、村上は小さな喘ぎ声を漏らす。村上がシーツを握ると、豹のそれを思わせる美しい肩胛骨が浮かび上がった。

　そして少しずつその振幅を大きくしてゆく。その全てが村上にとって快感であるように。村上の中心に手を伸ばし、そこにも愛撫を施した。慎治の手の中で、村上の雄が形を成す。村上の息遣いが荒くなり、吐精が近い事を慎治に伝えるように掌の中の村上がどくん、と脈打った。




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歩と花火を見に行った『夏の夜の夢』とリンクしてます。
よろしければ併せてお読みくだちぃ(*´∀｀)

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