コイゴコロ、午後八時（８）（R18)

　陣内を引き上げて立たせようとすると、膝に力が入らないのか陣内は身を預けるように坂崎にもたれ掛かってきた。

　坂崎は陣内の下から身体をそっと抜き、陣内の両腕を棚に置いてそこに尻を突き出す格好で上体を預けさせた。

　その体勢を取っただけで背後が擦れたのか、陣内がぁ、と小さく声を零す。その声は密室の壁に乱反射して、やがてファイルの束にゆっくりと吸い込まれてゆく。その様子は坂崎を、陣内の声に包まれたかのような錯覚に陥らせて、また坂崎を昂ぶらせた。

　陣内のスラックスと下着を纏めて足元まで下ろす。すると陣内は片足をのそりと上げ、下ろされた衣服を足から抜いた。

　坂崎の手によって晒された陣内の背後。坂崎は跪いてその双丘を掴んだ。

「本当だ……ちゃんと解れてますね」
「んっ……」

　確かめるようにその中心にある陣内の入口に親指を挿し入れる。そこはすぐ坂崎の指を受け入れて、絡むように、かつ柔らかく坂崎の指を締め付けた。

「ぁっ、坂崎……」

　挿し入れた指をゆっくりと回すと、陣内の背がいやらしくしなる。埋め込んだ坂崎の指を咥え込む窄まりがひくひくと震え、坂崎の指を奥へと誘った。

「陣内さん、凄いすね……中まで柔らかい」
「んっ、坂、崎……は、やく……」

　指の質量では満たされないのか、陣内が小さく首を横に振る。

　晒された陣内の雄は官能に震え、先端からは透明な液が溢れ出ていた。並ぶファイルの背表紙に、その濡れた先端を擦り付けようと無意識に陣内の腰が揺れる。坂崎はファイルを汚してしまわないようにと、陣内のポケットから取り出したハンカチを、陣内の濡れた中心に宛てがい、そしてハンカチごと握り込んだ。





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石田・陣内・坂崎についてはコチラ→『コイゴコロ』




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