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Fly Me To The Moon(2)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「――何を?」

 ナツメの独り言に声が返ってきた事に驚いて顔を上げると、ピアノの陰から一年二組の生徒、松田和大(かずひろ)が姿を見せた。

 十六には見えない長身にどこか大人びた表情。見た目も内に秘めたものが醸し出す雰囲気も、制服の学ランのお陰で年相応にまでどうにか引き下げられてはいたが、その様は、和大には学ランはどことなく不似合いだと、ナツメに感じさせる程だった。

 ナツメが音楽教師として勤める高校は、一、二年生のみ芸術選択として音楽・美術・書道の三科目が用意されているが、生徒はその中の一科目だけを選択するカリキュラムを採っている。一学年七クラスあるうち、音楽選択が一組から三組まで、美術が四、五組、書道が六、七組とクラス分けされていた。

 二組の和大とは、音楽選択クラスにより授業において面識はあったが、教師と生徒、それ以上でも以下でもない。

 けれど。

 ナツメは気付いていた。

 授業中、あるいはすれ違った瞬間に、和大からふと向けられる視線。

 それはじりじりと、ナツメを脅かし、いつか、何らかの形で和大と対峙する日が来るだろうと、ナツメに予感めいたものを抱かせていた。

 それでもナツメはいつもの調子でへらりと笑ってみせた。

「おー松田。何、どした?」
「通り掛かったらピアノの音聞こえてきたから。ナツメさん、暇そうだね」

 ナツメは生徒以上にやる気の感じられないその授業態度で、返って彼等から親近感を持たれているようだった。

 その現れなのか、学生達に混じっても遜色ないどちらかと言うと幼い範疇に入る風貌の所為もあるのか、ナツメは生徒たちから苗字でなく、名前で呼ばれている。それはいつまでたっても自分の苗字に馴染めないでいるナツメにとっても有り難い事だった。彼等の間でナツメはどうやら呼び捨てにされているらしかったが、直接ナツメ本人に話す時にはさすがに『さん』を付けて呼ぶ者が殆どだった。

 長身を揺らしながら教室の椅子を一つ取った和大はピアノの横、ナツメの隣にそれを置き、背もたれを前に跨ぐようにして腰を下ろした。





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和大の初恋w→『空に、白い雪』



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大したアレでもないのに説明(・ё・)クサーですいませ……(;´Д`)





コメント
月まで連れてけるますでしょかw
>秘密拍手コメiさん(*´∀`)

早くも和大の過去のコイバナ、お気付いていただいてたみたいであざす!
(2)からのリンク直前まで和大中三設定でしたが
高一の和大とのギャップあり過ぎになってしまうので
急遽中2に引き下げますた\(^o^)/
ナツメはダメダメに仕上げたいと思いますが
あああああああなんか書いたことないので
軽く(?)失敗に終わりそうなヨカーンで今から(;´Д`)ってなってます
ヘタレな一作になるかもしれませんが
最後までお付き合い&ハゲ増しいただければ
(もーあかんと)泣きながらでも(嬉しくて)泣きながら
最後まで書けると思います(´Д⊂ヽ

なんのひっかけもできなかた\(^o^)/オワタ
つまんないレスで申し訳なす(;´Д`)
ああああそしてレス遅くなり大変申し訳ありませんですたアセアセ
2008/12/18(木) 07:41 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
【秘密拍手コメレスです】【まりがとんございます(*´∀`)】
>無記名秘密拍手コメさん(*´∀`)

コメまりがとんございますっ(´Д⊂ヽ
そのあといかがでしたでしょうか
グダグダになってる気満々で
途中放棄されたんじゃないかとドキムネアセアセですが
最初二話だけでもお楽しみいただけたのなら
シャーワセす(*´∀`)
まったーりですが最後まで書ききりたいと思いますので
よろしければまたのお越しお待ちしてます(*´∀`)
2008/12/27(土) 16:42 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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