2ntブログ

Fly Me To The Moon(37)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
『――はい?』

 数コール後、登録にない番号からの着信に警戒しているのだろう、和大が固い声で応答した。

「松田か。河辺だけど」
『河辺? T高の?』
「ん、そう」
『――何の用?』
「ナツメが拉致られたみたいなんだ。探すから手伝え」
『……、……分かった』

 一瞬の絶句。和大の気持ちは痛い程分かる。ナツメの危機に、彼の側にいる事ができなかった己への歯がゆさ。それは河辺も同じだった。

「お前いまどこだよ?」
『……ナツメさんち』
「拾いに行くから、前まで出ておけよ」

 分かった、と言う和大の返事を聞いて、河辺は電話を切った。









 連れて来られたのはラブホテルのようだった。

 ナツメは引きずるように車から下ろされ、エレベーターに押し込まれた。

 ヨシヤの父親が何軒か持っていると、以前ヨシヤが言っていたのをナツメはそういえばとぼんやり思い返す。

 その階はワンフロア全部が一部屋になっているらしく、エレベーターを下りたらすぐ目の前にただ一つのドアがあった。ヨシヤはポケットから取り出したカードキーを差し込んでドアを開け、勝手知った様子で中に入った。

「ほら、入れ」

 ヨシヤの取り巻き二人に両脇を抱えられたまま乱暴に背中を押され、よろよろとナツメも中に入る。

 中は黒を基調とした仕切りのない広い一部屋で、窓は外から板のようなもので覆われていてそこから外の景色を見ることができない。中央に大きなベッドが一台あり、部屋の一角には手錠や轡、鞭といった拷問器具が並んだ棚もあってSMプレイも可能な仕様となっている。それらを一瞥し、ナツメは半ば諦めにも似た虚脱感に見舞われながら、それでもせめて、自分にそれらが使われない事を祈った。



←36へ / →38へ
←1から読む



にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
↑ランキング参加中す。よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってます。




コメント
うわーーーん
どどどどうなるのでしょう?!Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)

河辺カッコいいっすね~捨てキャラは勿体無い!
こういう男好きッす♪
ナツメたん大ピンチですね・・・助けは間に合うのでしょうか。
あぁ~~ワンコ、早くおいでーー!
2009/01/26(月) 14:40 | URL | 柚子季杏 #-[ 編集]
ヽ(`Д´)ノウワァァァン
>柚子季てんてぇ

どどどどどどどうしましょうアセアセ
どの時点で河辺と和大に踏み込ませるか
未だに迷ってますアセアセ
まずは4人で寂しい(w)パーティー風景でも、の予定す(*´∀`)

河辺は一応捨てるつもりないす(*´∀`)
位織もおりますんでゆくゆくはエヘヘとか目論んでます(が未定すw)
のでちゃんと字画見て命名もしましたです(゚∀゚)アヒャ
そしたら和大と大が被ってるコトに全く気付かずorz
やっちまったな私!orz ってなってます(;´Д`)
ナツメがノンビリ(違)某薬にドライブ中
大大コンビはナツメ探しに奔走してますw
ていうかほんとに私に書ききれるか不安で仕方ありませんアセアセ
どうか!広い心で見守ってやってくだちぃ私を!いつもあざす!
2009/01/26(月) 21:35 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ