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Fly Me To The Moon(36)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「――はい」
『あっ、ショウちゃんやっぱり居留守使ってたわねっ』

 電話の向こうからマスターの野太いオネェ言葉が届く。

「んー、何の用? 俺忙しんだけど」
『ナツメちゃんがちょっとヤバそうなのよ』

「――え?」
『店の前でドレッドヘアの連中にナツメちゃんがハマーに連れ込まれるの見たって、お客さんが。結構無理矢理だったみたいでナツメちゃん、携帯落としてったのよ。悪いとは思ったけど発信履歴見てショウちゃんに電話したの』

「――すぐ行く」
『ええそうして』

「ナツメのアドレス帳に『松田和大』の名前がないか見て、あったら電話番号俺にメールして」
『分かったわ』

 携帯を閉じてすぐ、河辺はベッド横に脱ぎ落としていた衣服を着込み始めた。

 静かに河辺の会話を見守っていた位織が口を開いた。

「――今日は尚大が誘ったんだよ」
「ん……ごめんね位織さん。今度必ず埋め合わせするから」
「……尚大と俺はそういう約束だから、……仕方ないね」

 今度奢れよ、と位織は寂しさを紛らせるような冗談口調と共に河辺を軽く睨み、それから小さく眉を上げて笑った。







 車で位織を河辺のマンションからの最寄り駅まで送り、その背中が改札の向こうに消えるのを見届けて、河辺は携帯を開いた。

 ナツメの携帯からメールが来ている。

 マスターが送ってきてくれたらしいメールには、客が覚えていてくれたハマーのナンバーとナツメを連れて行ったのは多分ヨシヤだろうと言う事、ヨシヤが何かやるとすればいつもいくつかある父親の持つホテルのいずれかを利用すると言う事、そして最後に和大の携帯番号が記されていた。河辺はすぐその番号に電話をかけた。




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コメント
マスター、ないすううぅ~♪
良かった、河辺さんが携帯に出てくれてっv
位織さんのことも気になりますが、今はナツメさんが先!
河辺さん、頑張れ!
悪役を倒すのだっ!!
2009/01/25(日) 08:58 | URL | 蛍 #-[ 編集]
片想いスパイラルw
>蛍さん(*´∀`)

ナツメ←河辺←位織と来てさらに位織を想うせフレ(タチ)
を宛がうかどうかこの話の筋とは関係ないところで
なんだかちょっと一人盛り上がったりもしている昨今(?)
悪役はやっぱりこの話の中でキッチリ懲悪してしまいたい
気持ちイパーイですが
ナツメを優先してしまいそうでちょと微妙すアセアセ
まずは河辺と和大の大大コンビ(図らずもw)に
ナツメ探しに奔走してもらいますw(脳内で終わる可能性大ですがアセアセ)
こここここんなカンジで自信が持てないのはナツメでも誰でもなく私っていう
誘いウケ的言葉を残しつつ
お付き合い引き続きよろしくお願いいたしまアッ――!すですv
2009/01/25(日) 11:10 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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