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Fly Me To The Moon(50)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「そんなナツメさん見てたら俺……ナツメさんの事満足させてあげれてないのに、なんかナツメさんにスゲェ必要とされてるって気がする」
「んっ、……」

 耳朶に押し当てられた和大の唇が、ゆっくりと頬へと移動する。唇が少し動くたび、和大の唇が行き着いたそこを柔らかく吸い上げる。

 ヨシヤたちに無理矢理熱を持たされた身体は、行為の終わりとともに、根こそぎ体温を奪われたかのように冷たくなった。

 和大からキスが落とされるたび、奥の奥まで冷えきったナツメの身体に、少しずつ温かさが戻って来る。空っぽだった身体が、少しずつまた和大で満たされてゆく。

 満足していなかった訳じゃない。満たされ過ぎて、怖かった。和大なしではいられなくなりそうで。いつか近い将来心変わりされてしまった時、生きていけなくなりそうで。

「俺の勘違いじゃないよね」

 ナツメの答えを待つように、何度もキスが落とされる。震える心。温かさが次第に熱となる。

 こんな愛され方を、された事がなかった。何もかもを包み込む、深さ。嫌悪する自分自身の汚い部分でさえ、愛されているかのように。

 もう既に、和大なしではいられなくなってしまっているのかも知れない。

 ――ああそうか。

 だから泣いたのか。これで和大を失う事になるだろうと思って。

 恐る恐る和大に視線を向けると、それを待っていたかのような和大の笑みがナツメに応えた。

「俺の事、必要だよね、ナツメさん……」
「……、……ん」

 また俯いて、小さく頷いた。その両手をそっと和大の背に回す。

「和大、……ヤろ。……して、……」

 ――本当に、こんな俺でいいのなら。

 和大に抱かれたい。満たして欲しい。その全てで。

 ――俺の全てを。

「ん……ナツメさん、好き。スゲェ好き……」

 近付く唇。薄く開いて、重ね合った。






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ナツメ落ちますた\(^o^)/



コメント
ううっ、ここまで読ませて頂いて涙ボロボロです…
和大でよかった。
ナツメさんに和大が居てくれて、ほんとによかったよ~
好きな人のことずっと見てると、ほんとの気持ちがちゃんと分かるんだねv
偉いぞ、和大!
さあ、これから一生懸命慰め…☆(>▽<)ノ
2009/02/08(日) 05:23 | URL | 蛍 #-[ 編集]
ナツメさ~ん (>_<)
 もう、もうっ!
 涙でボロボロ……というか、鼻水が…。

 もう、お互い、相手なしではいられなくなってしまえばいい!!
 和大タン、大事にしろよぉ~~!!
2009/02/08(日) 09:23 | URL | 如月久美子 #-[ 編集]
あわわわわまりがとんございます(´Д⊂ヽ
>蛍さん(´Д⊂ヽ

ほほほほほほほんとすかありがとうございます(´Д⊂ヽ
自分嫌いのケがあるナツメですが
なんとか自分はこれでいいんだみたいな気持ちに
和大の愛情注がれて(白濁も注がれてw)
ちょっとでもこう……なんというか
説明できませんwwwwwwwworz
イパーイ愛情受けてスクスク育って欲しいです(*´∀`)
あいー今夜から慰め大会開催予定すw
どうぞ最後までのお付き合いよろすくおながいします(*´∀`)

***********************************

>如月さん(´Д⊂ヽ

ああああああマジすかもうほんとすいません
ありがとうございますテテテテテッシュどぞ(;´Д`)つ□
和大はもうガッツリナツメを看取る気でいるすw
ナツメはなんだかんだで更生には時間がかかると思いますが
もつろん和大の愛情なしではいられなくなってます
もう既にwwwwwwwハヤwwwwwwうえっwwwwww
ナツメはいつから和大をダイジにできるでしょうかw
はよちゃんと気持ち返せるまでに成長して欲しいです(*´∀`)

2009/02/08(日) 18:31 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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