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すべては愛のためだろ?(11)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 時刻は午後六時半過ぎ。日の入りもとおに過ぎ、辺りは外灯の助けがなければ漆黒となるだろう時刻。けれどもオフィス街のこの地は真夜中でさえどこかで働く者の影がある。

 多くの企業では就業時刻直後のこの時間帯、ビルの窓から零れる光はまだ煌々と、街が明るくなる程に辺りを照らしていた。

「やっと連絡くれたと思ったら、こんな場所?」

 七月が働く広告代理店が入るビルの裏口。ビルの谷間であるその場所は、眠らないオフィス街から届く明かりもごく僅かで薄暗い。吹き抜けるビル風に目を細め、七月がそれでも妖しく笑みを浮かべて聡士を見た。

「すぐ済むよ」
「ここで?」
「そう、ここで」

 含ませたような七月の言葉に素知らぬ顔で答え、聡士は不敵に笑い返した。冗談にも乗ってこない聡士の様子に、七月はつまらないとばかりに眉を上げて肩を竦めた。

「彼氏、できたんだってね」
「まーね」
「それで『ふーん』だったわけ?」
「そゆワケじゃねぇよ」

 淳汰があまりにそのまんまを七月に伝えていた事が可笑しかったのか、聡士はふっと片頬を上げて笑った。けれどもそれもすぐに真顔に戻した。そして一歩、七月との間合いを詰め、聡士とそう身長差のない七月を、僅かに顎を上げる事で見下ろすように睨み見た。

「七月」
「なに」

 二人を取り巻く空気が変わった事に七月が気付いていないはずはないが、七月は全く変わらない調子でゆったりと、聡士を見返した。

「淳汰に手ぇ出さねーでね」

 言葉尻は軽いが目は笑ってはいない。むしろ脅すような低音で、聡士は七月の耳元に話し掛けた。

「淳汰?」
「知らねぇワケねぇっしょ? S運輸の。ドライバーやってる」
「――ああ、彼」

 七月は白々しく答えて頷いた。







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聡士×淳汰





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コメント
きゃーー!
聡士が動いた!!!
ヤキモチが勝ったか?!
あぁ~~んもう、大好きっす、このCP(毎回言ってるw

村、最近本当に不安定ですよねぇ(汗
折角クリックして下さる読者様に申し訳ない(;つД`)
2009/02/26(木) 02:12 | URL | 柚子季杏 #-[ 編集]
様子見終了(*´∀`)
淳にマジシャンの魔の手が伸ばされた事を確認
様子見は一応それを待ってたって事で(*´∀`)
ヤキモチってよりやっぱり独占欲になるでしょか。
けどやっぱり自分のことは棚に上げてます\(^o^)/オワタ

村はトラバ時以外ほぼ携帯からしか見ないので
落ちてる間バナーが表示されてないのは
知らなかったす(;´Д`)
村にはなんとかがんがってもらいたいものす(;´Д`)

2009/02/27(金) 01:15 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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