※余韻に軽く15禁程度。よろすくおながいします(*´∀`)
「はぁ、ぁ、は、ぁ……」
自らの意志ではどうすることもできないまま、吐精の余波に身を任せて小さな痙攣にうち震える。いつの間にかぎゅっと閉じていた目をゆっくり開けると、七月を見下ろす望木の視線とかち合った。
「んっ、ん……貴史お前、鬼畜……」
身体は間を置いていつまでも痙攣を繰り返す。そのたび小さく眉を寄せて、七月は望木を緩く睨みつけた。
「お望み通りだろ?」
誰が置いたのか、ベッドに置かれているボックスティッシュから数枚を取り、七月の腹の残滓を拭いながら、望木は誇らしげにも見える表情で笑った。
「そ、なんだけどね……」
望木その表情に誘われるように、七月も気だるく笑った。
――そう言えば、……。
絶頂を迎える時、蝶の姿を見なかった。
それだけ我を忘れることができたということなのか、あるいは。
――別れ行く蝶を見たから……?
七斗に半ば犯すように貫かれ、全てに諦めが着いたからなのか。
けれどももう、どっちだっていいことだ。
自分は七斗に選ばれる程の値打ちがあるとは思えないし、七斗に言われたからといって今更男と戯れに寝るのを止めることもないだろう。自分ではそれなりに相手を選んできたつもりだったが、本当のところ七斗の言う通り、男なら誰でも良かったのかも知れない――それが七斗でないのなら。
「手、外すよ」
宙を見てぼんやり物思いに耽る七月にそっと、望木が声をかけた。
「ん……いいの、お前」
「何が?」
「イってない、だろ」
「いんだよ」
するりと縛めが解かれると、布が食い込んでいた手首が重く痛んだ。
腕を下ろすと流れが悪かった血流が一気に端々にまで巡り、指先がじんと痺れた。
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自らの意志ではどうすることもできないまま、吐精の余波に身を任せて小さな痙攣にうち震える。いつの間にかぎゅっと閉じていた目をゆっくり開けると、七月を見下ろす望木の視線とかち合った。
「んっ、ん……貴史お前、鬼畜……」
身体は間を置いていつまでも痙攣を繰り返す。そのたび小さく眉を寄せて、七月は望木を緩く睨みつけた。
「お望み通りだろ?」
誰が置いたのか、ベッドに置かれているボックスティッシュから数枚を取り、七月の腹の残滓を拭いながら、望木は誇らしげにも見える表情で笑った。
「そ、なんだけどね……」
望木その表情に誘われるように、七月も気だるく笑った。
――そう言えば、……。
絶頂を迎える時、蝶の姿を見なかった。
それだけ我を忘れることができたということなのか、あるいは。
――別れ行く蝶を見たから……?
七斗に半ば犯すように貫かれ、全てに諦めが着いたからなのか。
けれどももう、どっちだっていいことだ。
自分は七斗に選ばれる程の値打ちがあるとは思えないし、七斗に言われたからといって今更男と戯れに寝るのを止めることもないだろう。自分ではそれなりに相手を選んできたつもりだったが、本当のところ七斗の言う通り、男なら誰でも良かったのかも知れない――それが七斗でないのなら。
「手、外すよ」
宙を見てぼんやり物思いに耽る七月にそっと、望木が声をかけた。
「ん……いいの、お前」
「何が?」
「イってない、だろ」
「いんだよ」
するりと縛めが解かれると、布が食い込んでいた手首が重く痛んだ。
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