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Sometime Butterfly(32)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 七月の腕を取り、手首に痕が残っていないことを確認した望木は、ベッドから下りて服を着込みだした。

 望木で四人目の相手と聞いて七月の身体を慮ったのだろうか、あるいは四人目と聞かされて呆れたあまり挿入する気が失せてしまったのかも知れないが、いずれにしても望んだ質量を与えず、七月をとことん焦らす意地悪さが今の七月には必要だったと、望木の取った選択に七月は内心でそっと感謝した。

「今イったらマジで眠くなりそうだし。寝たら締め切りヤバくなっちまうだろ? 七月にも迷惑かけてらんねぇし」
「……『ヤキ望木』が、よく言うよ」

 皮肉に笑って毒づくと、望木は片頬を上げるだけの笑みを七月に返し、七月の短い髪をくしゃりと撫でた。

「――煙草、ある?」
「あ? 七月お前マジでどしたんだよ。反抗期?」
「……そうかも」

 七月はごろんと寝返りを打ち、うつ伏せになった。ワイシャツの胸ポケットから煙草を一本取り出して七月に差し出した望木が、七月の背を見て目を見開いた。

「お前その背中……マジで何あった?」
「え……?」
「背中の怪我。なんか……羽もがれた痕みてぇんなってる」
「――え」

 七斗に掻きむしるように爪を立てられた痕だ。七月を恍惚へと誘った、背の痛み。

 ――七斗。

 七斗は何を言いたかったのだろう。たった今まで官能に浸ることで忘れていた痛みがまた、七月の背で重く、甘く疼き出す。

「なあ七月、こんな傷見せといて何もねぇじゃ済ませらんねぇだろ?」
「ん……」

 肘を突き、受け取った煙草を口に咥えると、望木がその先にライターを近づけて火を点した。



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コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)まりがとんございますー(*´∀`)
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

ああああ切ない展開できてますでしょかアッ――!orz
やっぱり書いてる間はあーでもないこーでもないと
頭抱えながら書く所為でしょか
いまひとつニントモカントモ(;´Д`)としか思えずorz
モギの度胸は割りと据わってるんじゃないかと思うんで
相手が弟と知っても引くことはないかと思うすw
どっちかってと七月に本命が実はいた、というのを
知った時の方が驚くというかショック受けるというかw
一応モギの本命は七月なんで(ということになってます\(^o^)/)
モギ、あるあるありますかヨカタですー(*´∀`)
今回は仕事も勘で書かずに(←)珍しく人から聞いてみたんで(*´∀`)
現場(?)付近(?)にいらっさった方から
そう言っていただけるとウレシスです(*´∀`)
あ、でも「ヤキ望木」は私の妄想の産物でしw
初めてこの言葉出したときすっごいすっごいハズかしかったす……wwww

2009/08/03(月) 23:41 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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