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Sometime Butterfly(40)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 七月はパソコンの電源を落とし、立ち上がった。

 そこへ見計らったようなタイミングで、望木が欠伸をしながら仮眠室から出てきた。

「あー七月お疲れ。入稿済んだ?」
「ん、今終わった。いつもお前に代わって俺が謝ってんだよ。この貸し、結構たまってるからね」

 冗談を匂わせながらも、緩く睨み付けた。

「んー悪ぃ悪ぃ」

 望木は睨まれた視線にも笑い、いつもと変わらぬ調子で頭を掻いてみせた。

 望木が仮眠室に入って約六時間。徹夜が続いていたにしても昼間のオフィスでその時間は寝過ぎだろう。おそらく七月が入稿を済ませるのをまどろみながら待っていたのだろう。

 望木も今やっと差し迫った仕事がなくなったはずだ。帰ることもできたはずなのにそれをしなかったのは、七月を労うためか、夕べの行為の続きをするためか。

 けれどもそれはどちらでもないだろう。望木との付き合いも七年を過ぎた。だから分かる。

 望木はおそらく夕べの七月を見て心配しているのだ。いつもと様子が違った七月を気にかけ、その様子を確かめるためにオフィスに残ったのだろう。

 欠伸をしながら部屋から出てきた辺り、それを微塵も感じさせないのが望木らしい。

 七月はふと、笑った。

「――望木」
「あん?」
「独立の話」
「ああ。返事なら急いでねぇよ」

 七月は望木の耳元に唇を寄せた。

「いいよ」
「あ、マジ?」

 望木が七月の意外な答えににわかに表情を明るくした。

「ただし、俺が出したい本を作らせてくれるなら」
「何の本だよ」
「――写真集」
「あ? 写真集?」
「望木が見せてくれた新聞記事のあれ、俺の弟だったんだ」


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一年以上続けてきたまったりペースが抜け切らず多めに書けそうにありませんorz
自ら掲げた目標達成できずハズカシスなんですが
明日0時の更新にあゆしんうぷりたいと思います。
いつもお付き合いまりがとんございます(´Д⊂ヽ



コメント
秘密拍手コメですあ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!でし(*´∀`)
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

えへw望木、絶対悪いと思ってないw
だからいつもギリなんすね\(^o^)/オワタ
耳打ちは社内で独立話もなんだろうと声を潜めた結果
七月故やらしくなった、みたいなつもりだたんで
そう取っていただけてかなりウレシスでし(*´∀`)
七月も望木も社内じゃカムアウトしてないんで
「あの人らもしかして(;゜∀゜)=3」
な同僚なんかは「ギャーッやっぱり~っ(;゜∀゜)=3」
となった瞬間だったかと思われますw
私もリアルで見たいす…(;゜∀゜)=3
この二人(望木と七月)はせふれなワケですが\(^o^)/オワタ

2009/08/12(水) 02:14 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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