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Sometime Butterfly(53)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 ――知ってた。

 二人の想いが重なることなんて、有り得ないと思っていたのに。

 七斗にとっても、七月と通じ合えるかどうかは賭けのような奇跡だったはずなのに。

 その矛盾にも見える七斗の答えが、けれども七月には理解できた。

 きっとそれは、いつか必ず、結ばれ一緒になろうと交わした、劫初からの約束。

 けれども二人は。

 同じ性を持っているから。

 血を分けた、兄弟だから。

 いつまでも狭い世界に二人ではいられないと知ったあの日から、その約束をそれぞれがそっと、心の奥底にしまい込み、鍵を掛けていた。

 二人の心に鍵を掛けたのも、その鍵を再び開けたのも、蝶だった。

 触れ合った唇の甘さが、身体の奥から切なさを呼び覚ます。身体の奥底が、じんと痺れて熱を生む。身体中に広がった七斗の熱と己の中で生まれた熱が螺旋のように絡まって、交じり合う。

 小さく唇を開く。舌先同士が触れ合う。身体の柔らかい箇所同士が触れ合う快感が、ぞくぞくと背を伝う。

「ン、ん……」

 甘い声が鼻から零れる。瞬きのたびに、はらりと涙が零れた。

 何より愛しくて何より大切な存在。

 ――七斗、愛してる……。

 もっと強く、この想いが伝わるようにと、何度も七斗の背を撫でる。七斗の背を撫でるたび、七月を抱きしめる七斗の腕に力が篭もった。

 薄く開いた唇を割って、七斗の舌が入ってくる。歯列を辿る七斗の舌先を追って、七斗の舌の裏を突つくと、七斗は口端から熱を孕んだ吐息を零した。

「七月……」
「ん……」

 七斗の声が鼓膜を撫でる。身体の内側で七斗を感じれば感じるほど、もっと、と七斗を求めて皮膚の下がざわざわ騒いだ。


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コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

わっわわわっそんな浮遊感出てますか!
なんかウレシスでし(*´∀`)
神々しいセクースとか絶対描写ムリw
とか思いながら書いてますが
なるべくならそれに近いイメージでw
書き進めたいと!
天敵すかw最中に望木から電話かかってきたりw
ここはひとつ淳汰に荷物配達させときますかwwww
とかだとオモロスですなぁw
イイすねそれはまた別の番外とかで書いてみたくなてきますたw
やっぱさとじゅんはこの話では出せそうにないんでorz
ネタあざした~~!
2009/08/29(土) 02:02 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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