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誰もがきっと、誰かの。(65)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 貴史の視線が、生を真っ直ぐ見つめる。

「食ったらすぐ帰るよう言うから」
「でも、……」
「……またしよ、って言った俺の言葉に『うん』って応えてくれたのが、まだ生きてるなら」

 どこか縋るようにも感じる程に、訴えかけられる。

 生自身はもちろん、もう少し長く貴史と一緒にいて、そして貴史ともう一度、身体を繋げたいと思っていた。

 初対面の相手と食事の席を共にするのはどちらかと言うと苦手ではあるが、貴史が本心でそう言ってくれているのなら。もう少し貴史の元に留まってもいいのだろうか。

「……、本当にいいの? 僕いても」
「うん、てか居て欲しい」
「じゃあ、もう少し……」
「……良かった」

 小さく頷き、貴史が安堵に表情を和らげた時、玄関ドアのチャイムが鳴った。エントランスにいた彼が部屋の前に到着したのだろう。貴史が鍵を開けて待っているものと思ったのか、まだ鍵の掛かったままだったドアノブががちゃりと鳴った。

 ここ座ってて、と貴史に促されてダイニングの先ほどの椅子に着くも、貴史が玄関口に向かうと、初めて会う人物を前に座ってなどいられないと、生は思わず席を立った。

 幾分慣れた様子で貴史より先に部屋の中に入ってきた彼は、インターフォンから聞こえてきた声から想像した通り、いやそれ以上に涼やかな顔立ちなのに、その身体からはそこはかとない艶を放っていた。カフェオレ色の短い髪は、彼の滑らかで色素の薄い彼の肌によく似合っていて、黙っていても人目を引く雰囲気を持っている。

 彼は本当に貴史とピザを食べるつもりだったらしく、ここに来る前店に寄ってきたのか、手にはピザの箱を抱えていた。サイズは一人では普通食べきることはできそうにない大きさだ。片手からは缶ビールが数本入ったコンビニの袋もぶら下がっている。



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コメント
 わざわざ椅子から立ち上がっちゃうあたり、生タンの生真面目さが…。
 七月さんのこと見て、どう思うんでしょ。
 嫉妬くらい、するかな? むふふ。
2009/11/30(月) 08:26 | URL | 如月久美子 #-[ 編集]
立ったり座ったり忙しいでしw
>如月さん(*´∀`)

あいーwなんとか生の真面目さを出そうと
必至なわたくしです\(^o^)/
反応いただけてウレシスでし(´Д⊂ヽ
生はガッツリ行くタイプじゃないんで
嫉妬もきっとすぐに諦めに変わりそうなイメージすw
あ、これじゃ自分は到底太刀打ちできない、みたいな(?)
そんな流れになんとか持ってイきたアッ――!
いと思ってますハァハァ(;´Д`)ハァハァ
どうか引き続き見守ってやってくだたい!
コメあざしたーっ(´Д⊂ヽ

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>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

一人称が「僕」リアルでは結構いると思うんすけど
やっぱBLファンタジーではカワユいイメージになっちゃうすね
なんで生は私の中ではもしかしたら
最初で最後の「僕」キャラになるかもでしw
この回、貴史が引き止めるところも
生が滞在を決めるところもちょっと自分ではモヤモヤしてまして
なんか違う(;´Д`)と思いつつどうしようもありませんですたorz

あ、そうすねwwww
昔の七月なら「このあとヤるなら混ぜて」くらい言ったかもでしwwwww
生が3pとかのキャラじゃないんで結局はムリだったとは思いますがw
七月ならウケ二人タチ一人でも上手に楽しませてくれそうすw
ちょっと色々私も妄想してしまいまんたwwwww
楽しかったでしありがとうございますー(*´∀`)



2009/12/01(火) 02:53 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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