すべては愛のせいだろ？（５）（R18）

　口付けを交わす事で互いを昂ぶらせながら、淳汰は二人の身体の隙間に手のひらを差し入れた。探るように手を伸ばし、聡士の雄をやんわりと握る。半勃ちのそれを緩く扱くと、その動きに合わせるように聡士が腰を揺らした。

「淳汰」
「ん……？」

　名を呼ばれて、薄く目を開けた。淳汰の肌を撫でる聡士の手が、舐めるように背から腰へと下りてきたかと思うと、聡士は何の前置きもなく淳汰の窄まりにその指先を宛てがった。図らずも淳汰の身体が強張る。

「ちょっ、……っ」
「お前さ、マジで挿れさせろよ」
「んっ、……マジ？」

　耳元で囁く聡士の低音が鼓膜に響く。同時に耳朶を口に含められて、快感にぞくりと背が粟立った。淳汰は官能を押し殺すように眉を寄せ、息を詰めた。

「俺前からずっと、お前はウケのが向いてんじゃねぇかと思ってたんだよな」

　淳汰が握る手の中でゆっくりと自身を前後させながら、聡士は言葉を続けた。淳汰の手の中で、少しずつ聡士がその質量を増してゆく。強張る淳汰の身体を宥めるように耳朶を優しく舌先で転がし、けれども背後に置いた手はそのままに、そこを許す事を淳汰に求めるように乾いた指先をゆっくりと回した。

「そ……りゃお前に掛かればどんなバリタチだってウケに見えるんだろうよ」
「そんなんじゃねぇって」
「じゃあ、なんだよ、……っ」

　分かれよ、とでも言うかのように、聡士が淳汰の耳朶に甘く歯を立てた。

「挿れなくても俺と相性こんなにいんだからさ」

　耳元で。狙いすましたかのような声で。ざわつく背中。警鐘が聞こえる。

　――ヤバい。

　逃れようと、顔を背けた。聡士がそれを許さない仕草で、淳汰の顎を掴んだ。

「挿れたらもっと悦いんじゃねぇかって、俺の直感。信じろよ」






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↓二人がちょろっと出てくる話はコチラ
中野聡士→『にしがひがしに』
山井淳汰→『24/7(twentyfour-seven)』


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