すべては愛のせいだろ？（22）

「……賭けに勝って挿れたってだけなんだけど、それでも？」
「賭けって。どんな賭けやねん」

　いつもの強気な態度に翳（かげ）りを見せる聡士の様子に、木戸が珍しいものでも見るようにまじまじと聡士を見る。

「十五分以内にイかせられたら挿れさせろ、みてーな」

　なんやその賭け、といよいよおかしそうに笑って木戸は身体を揺らした。

「好きやなかったらそんな賭けに乗らんやろ」
「……そ？」
「ほんでそんな賭けに渋々乗ったとしても。好きやなかったらどんな巧くても意地でもイかへんって」
「そんなもんかな」
「間違いない」
「……あいつが俺を。なんか、嘘みてぇ」

　聡士は初めて気付かされた事実に呆然として、口の中のだし巻き玉子の咀嚼も忘れてぼんやり宙を見上げた。

「それからな」
「あ？」
「お前にはも一つ教えといたるわ」
「あんだよまだあんのかよ」
「そいつとヤってから他のヤツとヤった？」
「……んー、ヤった」

　その答えにもういっそ清々しいわお前、と多少呆れたような苦笑を浮かべながら、木戸は言葉を続けた。

「全然やったんやろ」
「そーなんだよな。スゲェ巧い人なのに」

　質問と言うより確認のように聡士に言葉を向ける木戸に、聡士はつい先日淳汰に見られた男との事を思い返して頷いた。

「イけんかった？」
「や、さすがにそれはねぇけど」

　聡士は己の威信を守りたいのか、どこか意地になったように真顔で首を横に振った。







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↓二人がちょろっと出てくる話はコチラ
中野聡士→『にしがひがしに』
山井淳汰→『24/7(twentyfour-seven)』


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「やっぱそうなっちゃう？」←すいませんハイ/キングウォーキ/ングのネタです＼(^o^)／