十二月二四日、夜八時（５）（R18）

　鼻先同士を触れ合わせ、またキスに戻る。慎治さんのキスがいつもより熱い。舌を絡め取られて吸い上げられ、息をする事すらできなくなってくる。

　空気が足りなくてキスの狭間に喘ぐような呼吸をしていたら、いつの間にか濡らされていた慎治さんの指先が俺の後ろの窄まりに宛てがわれた。

　指の腹で入口を潤し、そこを柔らかく押す。襞を少しずつ伸ばすようにごく小さく指先を回し、閉ざした窄まりを解してゆく。相変らず俺は緊張していたけれど、慎治さんの指で丁寧に解されていたからか、そっと挿し込まれた指先を何の不快感もなく受け入れることができた。

　ごく浅い場所で指先が回され、本当に少しずつ、中が拡げられてゆく。小さく抜き挿しされると、快感とも悪寒ともつかない不思議な感覚に背筋が粟立った。

「……歩」

　背後への愛撫を続けながら、慎治さんが俺の名前を呼ぶ。

「ん……何……？」
「嫌ならいつでも言えよ」

　――嫌なら。慎治さんに触れられて、嫌なワケがない。

「言わねーよ。……絶対」

　それが慎治さんの最後の確認だったのか、慎治さんはそっか、と笑って、お互い横を向いていた体勢から俺の背だけをベッドに縫い付け、慎治さんは身体半分を俺の上に添わせてのし掛かった。

　慎治さんは俺の背後をゆっくりと解しながら、俺の片腿に熱を押しつける。何もできない俺は慎治さんの熱に手を伸ばし、掌でその熱をやんわりと包んだ。慎治さんは俺の掌の中で数度、その熱さを俺に伝えるように幹を擦り付けて、それから下へ下りて行った。

　首根を柔らかく吸い上げられると、ぞくぞくと快感が迫り上がってくる。慎治さんの舌が首筋を辿り、顎先を口に含められる。甘噛みされて慎治さんの歯を感じると、思わず官能が甘い吐息となって口端から漏れた。

「歩、声我慢するなよ」
「……っ、なんで……？」
「聞きてぇから」
「なっ……んだよそれ……」
「言葉通りだよ」

　笑って答えて、慎治さんは俺の胸元をキツく吸い上げた。同時に慎治さんの指が、また少し、深く入り込んできた。




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