十二月二四日、夜八時（４）（R18）

　俺だって本当は緊張してる。それでも、それより、慎治さんに喜んでもらいたいと思った。俺で、俺が慎治さんにしてる時みたいに気持ち良くなれるなら。

　ベッドに腰掛け、慎治さんを見上げる。握った慎治さんの手も冷たい。もしかしたら慎治さんも緊張してるのかもしれない。でも、慎治さんは大人だから。そんな訳ないか、とすぐにその考えは打ち消した。

「マジでいいのかよ」
「いいよ」

　慎治さんは泣くんじゃないか、と思うくらいに顔を歪め、それでも嬉しそうに笑った。慎治さんがやっとベッドに乗ったと思ったら、俺を痛い程きつく抱き締めた。

「大事に抱くから」

　俺の腹に響く一言を耳元で囁いて、ゆっくりと俺の身体をベッドに横たえた。

　抱き合って、キスをする。慎治さんの舌は、いつだって優しい。優しく、けれども確実に俺を高みへと導いてゆく。キスにさえ不馴れだった俺を受け止め、舌先で慈しむように俺の舌を愛してくれる。舌先同士じゃれ合う時も、衝動のままに慎治さんの舌を吸い上げて、歯を立てても。普段は饒舌な慎治さんが、言葉でなく態度で、人の愛し方みたいなものを教えてくれているような気がする。


　少しずつ体温が上昇してくる。指先も温まってきた頃、ほんの少しの間離れるのさえも惜しむように抱き合いながら服を脱がし合った。直接肌同士が触れ合うと、体温の上昇は一気に加速する。自然に腰が揺れ、互いの猛りを触れ合わせて刺激する。

　キスを交わしながら、俺の背を撫でる慎治さんの手が少しずつ下りてくる。尻に到達すると、そこを掴んで解すように揉む。

「ん……、……」
「大丈夫だから」

　緊張で身体を固くしてしまった俺に気付いたのか、慎治さんはそう言って宥めるように俺の額を慎治さんの額でそっと撫でた。







←３へ
５へ→
１から読む→


この二人につきましてはコチラ→雨がやんだら
クリスマス前後の流れはコチラ→クリスマスイブの過ごし方　・　ただそれだけの朝



↓ランキング参加中。よろしければクリックしてください。
　書く意欲に繋がってます。
　お気に入りBL小説ブログ見つけるならココ。
にほんブログ村