十二月二四日、夜八時（14）（R18）

「はぁ、はぁ、……ぁ……」

　慎治さんは吐精で荒くなった俺の呼吸が整うまで、動かずに待っていてくれた。その間も、腰を掴んでいた指先を緩めて、そこを労るように撫でる。継いで腿を撫で上げ、脚の付け根を解すように柔らかく揉んだ。その優しい手つきにも、静かに肌がざわついてしまう。

「……慎治さん……」

　また俺だけイったけど、慎治さんはこれでイイのだろうか。確かめたくて、振り返った。目が合うと慎治さんは目を細めて俺の片足を持ち上げて、そのまま俺の身体を捩じった。

「ぁ……、っ……」

　慎治さんに促されるまま、俺はベッドを背に仰向けになる。

「背中と声……」

　慎治さんが上体を折って俺の身体にその身を重ねた。

「堪能したから、次は顔と声だな」

　そう言って、笑いながら唇を寄せる。俺からも少し背を丸め、慎治さんの背に腕を回して慎治さんを引き寄せ、その唇に応えた。

「ん……、……声は、今度もなんだ……？」

　慎治さんの背を撫でながら、キスの合間に訊いてみる。慎治さんはうん、と小さく頷いて身体を起こした。

「お前の声、普段あんま喋んねぇ分」

　慎治さんが俺の脚を抱える。腰を持ち上げて、またゆるゆると腰を使い始めた。

「ぁ……、ん……」
「エロくて、脳天にまでクんだよ」

　言い終えると、ずん、と大きく一突きして、それからまた緩急つけて何度も俺を穿つ。俺は甘く澱んだ快楽の淵へ引きずり戻された。

「ぁっ、慎治さ、んっ……」
「歩……凄ぇ……イイ」

　切なく笑う慎治さんの表情で分かった。俺はきっと、慎治さんを満足させる事ができている。俺が慎治さんに俺で悦くなってる所が見たいように。慎治さんもきっと、俺が慎治さんで悦くなってる所が見たいんだ。

　また下肢に熱が誘き寄せられる。慎治さんと密着したくて腕を伸ばしたら、慎治さんは俺の身体を起こして向かい合わせに座らせた。

「ぁ……、は、ん……」

　俺が上から座ったことでまた慎治さんが深くに入り込んできた。自分で自分が支えられなくて、身体全てを慎治さんに預けた。それなのに俺の中だけは貪欲に慎治さんの熱を求め、自ら腰を押し付ける。

「お前ん中、スゲー熱い……」
「ん……、あっ、……」

　慎治さんが俺の猛りを掌で包んだ。

「歩、まだイける？」
「ぁ……ん……っ」

　内側から擦られながら、外側からもまた吐精を促される。すべて出し切ったと思ったそこに、また血が充填されてゆく。





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