コイゴコロヒトツ+ヒトツ（29）(R18)

「あ、坂崎……、ん、ぁ、っ……イく、イきた……っ」

　自由に動けないもどかしさで、指先に力が入る。しがみつく坂崎の背に爪を立てた。

「……イけるならこのまま、イって下さい陣内さん……、俺の、陣内さんの悦いとこに当たってますか……？」

　額に汗を浮かべた坂崎が陣内を揺すりながら問う。坂崎が大きく腰を回し、中が掻き回された。

「んっ、当たって……っ、あっ、坂崎っ、も……イく――っ」

　何度も縦に首を振りながら全身を硬直させる。びくん、と背を反らせて顎を跳ね上げた。閉じる事もできずに口端から唾液を零す唇を坂崎に塞がれる。途端に行き場を無くした熱が身体の奥から欲望を押し上げ、陣内は数度の痙攣と共に白濁を吐き出した。その直後、ずん、と大きく突き上げられ、陣内の中で坂崎が弾けた。

「はぁ、ぁ、ぁ、んっ、っ……」

　精を吐いてもなお上り詰めた身体はなかなかその熱を下げようとしない。呼吸を繰り返す度、自分のものとは思えない甘い声が漏れる。坂崎が更にニ度、三度と陣内を突き上げ、低い唸り声と共に最後まで吐き出した。荒い呼吸のまま見詰め合い、どちらからともなく唇を求め合う。支え切れなくなったのか、壁に押しつけられた背をずる、と滑らせて二人繋がったまま床に横たわった。

　冷えた床が壁で擦れた背中の熱を優しく鎮めてくれる。

　その気持ち良さに目を細め、陣内は坂崎の両頬をそっと包んだ。

「……好きだよ坂崎……」

　吐息のように囁いて、優しく引き寄せキスをする。

「……嘘みたいだ……」

　陣内の甘い唇に酔い痴れた表情で、坂崎がキスを求めて陣内の唇を何度も食む。そんな坂崎が凄く愛しく感じて、坂崎の頬をそっと撫でた。その手を滑らせて坂崎の背を撫でると、坂崎がワイシャツを羽織ったままだった事に今更ながら気付いた。肌蹴た胸元。その首筋を指先で辿ると、陣内の中にある坂崎がぴく、と震えた。



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