三垣君の苦悩の日々・ファイナル（４）（Ｒ18）

「……それおまっ……ローションっ？　ツバキそれっ」

　混乱で言葉が繋がらない。

　――あの顔でローション買っちゃマズいだろっ？

「そうです。これがないと痛いそうなので」

　怖い程冷静な声が返ってくる。

　誰だ？　誰の入れ知恵だっ？　純情なツバキにこんな事教えやがって……っ！

　不意に、背後に冷えた水気の感触。その冷たさに身体が竦む。

「うゎ、つ、めてぇって……ツバキ……っ」
「すいません友冶さん……腰、上げて下さい」

　声を掛けておきながら、三垣の返事はまるきっり無視で腰が引っ張り上げられる。腕が後で纏め上げられているため、肩と頬で己の体重を支える事になる。曝された背後。その羞恥に目も開けていられない。

　――ヤられんのか、俺……？

　唇を噛み、それに備えた。新入部員として初めて村椿を見た時から今までの事が、冗談抜きで走馬灯のように三垣の頭にフラッシュバックする。

　何の前置きもなく背後に何かが挿し込まれた。位置関係から村椿の指と推察する。異物感に肌が粟立つ。挿し込まれた指はゆっくりと深さを増し、不意にくい、と曲げられた。指先が、官能の一点を掠めると身体がびくん、と震えた。

「ツバキっ、そんな事、一体どこで……っ」
「僕は新聞部部員ですよ。……そうでなくてもこの程度の情報収集くらい、わけないです」

　――ああああのツバキが……こんな事言うような大人になっちまって……！

　体内で三垣を探るように動く指先が与える異物感と、時折混じる快感。それらに耐えている所為か、想像を絶する村椿の成長ぶりに胸にクるモノがあるのか、悔しいのか恥ずかしいのか。何かよく分からないが目尻に涙がにじむ。多分全部なんだろう。

　執拗なまでに背後だけを弄られる。身体だけはじりじりと、焦らされる。俺を縛ってまで村椿は何を思い詰めているのか、何を焦っているのか――。



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三垣君シリーズあります。よろしければあわせてお読みくだちぃ。
三垣君の苦悩の日々
続・三垣君の苦悩の日々
三垣君の苦悩の日々ZZ



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