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主よ、人の望みの喜びよ(30)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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※性描写につき18禁です。よろすくおながいします。


 二人共鳴するかのように身体を痙攣させ、最後まで吐き出した。ゆっくりと収縮を繰り返す襞が、己の内で息づいたままの歩を慈しむように押し包む。側にあったティッシュを歩に取ってやろうとすると、歩は要らない、と穏やかに笑って掌の白濁を舐め取った。

 まだ、繋いだ身体を離したくはなかった。

「慎治さん……」
「ん……?」

 歩が慎治の耳元に額を預ける。歩の髪が少し擽ったくて、そして愛しい。頬でその髪を撫で、キスを落とした。

「大人になんねぇと言えないと思ってたこと、もう言ってイイかな」
「何を」
「慎治さん……愛してる」
「歩……」

 歩の言葉が、じわじわと身体に染み込んでゆく。満たされて、込み上げる、あたたかい熱。

「もう慎治さんが何言っても、離れねぇよ。いいだろ、慎治さん」
「ん……」

 ――俺の想いは、歩に届いてる。そして、歩の想いもまた、俺の中にある。

「慎治さん……」

 ふと顔を上げた歩が、慎治を覗き込む。

「慎治さん、泣いてんの?」
「んなワケねぇ……」

 ――歩を手放した、あの日ですら泣かなかった俺が、泣くワケなんか――。

 何言ってんだよ、と歩の耳朶を口に含め、淡く歯を立てた。

「……そか」

 歩が静かに微笑んで、慎治の頬に手を添わせた。慎治の目元に唇を寄せ、黙って目尻を舐め上げた。

「……慎治さん、もう一回、してイイ?」

 そのままこめかみから耳元へと唇を移し、何度もキスを落としながら歩が問う。それだけで、ぞくぞくと快感が身体を駆け巡る。

「ん……飛ぶまでヤろ、歩」

 優しく歩を抱き締めて、頷き返した。慎治は歩に促されるまま、再びソファに背を預けた。






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歩×慎治(高校生×リーマン)につきましてはコチラ↓R18です。

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コメント
泣けるーっ!
ベラさん、優しいです~
あんまりこういうこと書いてイメージに合ってないと嫌がられるかもしれないんですけど、最近、このお話を読んでてELTのFragileが脳内選曲されてしまうんですっ(=^▽^=)
出会えたことから全ては始まった~♪
傷つけあう日もあるけれども…以下延々
ああ、いいお話です(涙)
2008/06/03(火) 12:38 | URL | 蛍 #-[ 編集]
ありがとうございますーっ!
今っ今Fragile歌詞見てきますたっ!!
ちょwwwwwwもちだはわたしですかwwwwwww(言い杉)
スバラシスな選曲に感激す……!!!
二人離れてる間のことを書いてる間は
コブクロの桜を涙なしには聞けませんでしたが(←イタタタwwwww)
二人くっついた暁にはもうイラネです!!!
明日の後書きに紹介させていただきますー!
拙い文章力を存分に補ってもらえる選曲ほんとありがたすっ!!
。・゚・(ノД`)・゚・。
2008/06/03(火) 23:22 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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