そばにいるから。（５）

　今更ながら気付いたのだが、学の家族構成はかなり特殊だ。学には父親が二人。母親が二人。そのそれぞれが同性同士で一緒に住んでいる。子供が生まれる仕組みについて正しく理解するようになった今、どうして学とその弟の英(あきら)が生まれたのか、悠は不思議だった。

　その叔父の家に行く時、いまだに学は悠を誘う。

　どうしてなんだろう。

　――俺がいたら邪魔なんじゃねーの？

　それでも悠は、誘われれば断らない。間違いは、起こらないに越した事はない。




「あーちゃん遊び来たー」

　自分の家のように勝手知った様子で学が叔父の家に上がり込む。悠もお邪魔しまーす、と気安く挨拶をして学に続いた。

「何しに来たんだよ」

　歩の代わりに同居人の慎治が、玄関に立ちはだかるように二人を迎えた。

「あ、慎治。なんでいんだよ」
「今日は休みなんだよ。自分ちにいて何が悪ぃ」
「慎治いんなら何か旨いモンあんだろ？　何か食わせてよ」
「慎治さんっつったら食わせてやる」
「えー。何あんの？」
「北海道物産展のアレコレ」
「うわマジ？　弁当系何かある？」
「ないワケねーだろ。デラックス北海三色丼とかな」
「わーイイねー。じゃそれくれよ」
「慎治さんって言え」
「えー」

　悠はリビングのソファ越しに、キッチンで楽しそうに悪態を吐き合う二人のやり取りを眺めていた。




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野田学について(*´∀｀)

叔父：野田歩（あーちゃん）
父　 ：野田進
『野田学、10歳。好きな人がいます。 』

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