そばにいるから。（12）(R18）

「は、っ、んっ、……っ」

　――痛いなんて、ぜってー言わねぇ。

　学は倉本と自分が挿入の経験があると思っているんだろう。痛がれば、経験のない事を悟られてしまう。経験がないと知られたら。

　――ヤるのを止める？　それとも少しは優しくする？

　学にとって歩は特別で、想いが叶わなくても良いと思える程の存在。それに比べて自分は手近な存在だからか、現実的だと、そう言われた。今までずっと学の側にいたのは、そんな事を言われるためだったんだろうか。

　悔しくて、哀しい。

　でもそれを知られるのは、もっと悔しい。

　――だからぜってぇ痛がんねぇし、泣かねぇ。

　荒々しい仕種で背後が緩められてゆく。二人のためにでなく、学だけのために。

　学の怒りの矛先が分からない。歩を引き合いに出して挑発したつもりだったのに。学に胸元の痕を、咎められた。それはまるで。――嫉妬？

　んなわけねぇ、と首を横に振る。

『あんなヤツんトコなんか戻れねぇよにしてやる』

　そう学は言った。倉本の元にさえ戻る事ができなくなったら。

　――俺はどこに行けば良いんだろ。

　倉本ももう、許してくれなくなるだろうか。これはきっと叶わない想いの寂しさの穴埋めを、倉本に求め続けた罰だ。

　背後を埋めていた指が不意に去って行った。拡げられていた襞が収縮して、背が粟立つ。腰が掴み直されたと同時に、学の熱い屹立に背後から一気に貫かれた。

「あっ、……っ」

　内側から身体を拡げられて息ができない。身体中の筋肉が収縮して、中の学を締め上げた。








←11へ　/　→13へ
←１から読む


野田学について(*´∀｀)

叔父：野田歩（あーちゃん）
父　 ：野田進
『野田学、10歳。好きな人がいます。 』

↑よろしければ合わせてドゾー



にほんブログ村

↑ランキング参加中す。よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってます。