そばにいるから。（19）

「歩さん」
「ん？」
「歩さん、幸せ？」
「……うん」
「いいな……俺も、幸せに……、……」
「なれるよ。みんな、ハルカの事大好きだよ」
「でも、サトルは……」
「サトルも」
「嘘、だ……」
「ハルカ、……」
「でももういんだ。やめるから……」
「ハルカ……」
「歩さん、サトル、歩さんの事が好きなんだよ……」

　瞬きをすると、また涙が零れた。目を閉じても次々とそれは溢れてきた。歩はただ黙ったまま、ずっと悠の頭を撫でていた。






　いつの間に眠ったんだろう。ずっと、歩の手のひらの温もりを感じていたような気がする。熱は引いたのか、身体のダルさは抜けていた。動くとまだ背後は痛みに疼いたが、それも遠い昔に負った傷のような、何処かそんな感じがした。引かれていたカーテンから漏れる光の強さで、もう昼に近い時刻なんだろうと悠は思った。

「学校、休んじゃったな……」

　母にはきちんと生きるように言われていた。本当にやりたい事が見つかるまではこれだから母子家庭は、と世間から言われるような事はなるべく避けなさい、と口癖のように母に言われ続けてきた。

　――心配してるかな。

　見つけた歩が置いておいてくれたのだろう、サイドテーブルに置かれた携帯を手に取った。

　母の番号に掛けて二コール。応答がある。

『ハルカ？』
「母さん、俺」
『ん……』
「今日学校、休んだ」
『ん……いいのよ。ハルカが良い子なのは誰よりも私がよく知ってるから』
「ん……」
『帰る時には歩君と慎治さんにちゃんとお礼言いなさいね』
「うん……今日、バイトには行くから」
『そう……。バイト行けるくらいなら大丈夫ね。無理しちゃ駄目よ』
「うん……」
『ハルカ』
「ん？」
『電話ありがと。ハルカ、大好きよ』
「ん……」

　電話はそれで切れた。手の中の白い塊をじっと見詰める。きっと自分は、本当に幸せなんだろうと思った。






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野田学について(*´∀｀)

叔父：野田歩（あーちゃん）
父　 ：野田進
『野田学、10歳。好きな人がいます。 』

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ハルカママ、ハタチでハルカ産んでる設定ｗただいま37歳(ﾟ∀ﾟ)ｱﾋｬ
歩の2コ上慎治の7コ下wwwwwwwうえっwwwwwwww