なんとか服を着込んで寝室を出ると、昼間の明るさが満ちた室内が眩しくて悠は目を細めた。物音が聞こえるキッチンに目をやると、歩と学が二人で立っているのが見えた。
ついさっき学との行為を図らずも歩に見られてしまった恥ずかしさと申し訳なさで、どうやって声を掛ければ良いのか分からない。悠は僅かに身体をこわ張らせて、少し離れた場所から二人のやり取りを見詰めた。
「あーちゃんこのソース、ショートパスタに合うって書いてるよ」
「……んー……」
「だからこれ買ってあんじゃん?」
学がゴソゴソ探って取り出したペンネの袋を歩に見せた。
ついさっき学との行為を図らずも歩に見られてしまった恥ずかしさと申し訳なさで、どうやって声を掛ければ良いのか分からない。悠は僅かに身体をこわ張らせて、少し離れた場所から二人のやり取りを見詰めた。
「あーちゃんこのソース、ショートパスタに合うって書いてるよ」
「……んー……」
「だからこれ買ってあんじゃん?」
学がゴソゴソ探って取り出したペンネの袋を歩に見せた。
「あ、ほんとだ」
「あーちゃん……」
「もうゆがいちゃったし、ソースも開けちゃったし、これでいいだろ?」
「いいけどさぁ……」
「――なに?」
「いや何でもねぇっす……」
そんな二人が少し可笑しくて、思わず笑みが零れた。
「あ、ハルカ。ダイジョブ?」
悠に気付いた学が明るい声を投げ掛けた。
「おはようハルカ。ハルカは座ってていいよ。もうすぐできるから」
「うん……」
歩からも何もなかったかのように優しく言葉を掛けられて、まだ少しの羞恥を残しながらも悠はほっと、緊張を解いた。
勝手の分からない悠が手伝いに入ると返って邪魔かとも思い、歩に言われた通り素直にダイニングテーブルに着く。
椅子に座って対面式のキッチンで食事の準備をする二人を頬杖をついて眺めた。危なっかしい手付きで麺を上げる歩の手元に学が慌てて皿を差し出す。良いコンビなのかそうでもないのか、叔父と甥のそんな関係に少し妬けるような気もするけれど、食事の支度に必死な二人の様子に悠の心がゆるりと、温かく解れてゆくのを感じた。
二人が苦心して用意したパスタは先刻学が言っていた通りソースがショート向きだったらしく濃厚故に伸びなくて、恐らく慎治が買ってきたんだろうせっかくの本場イタリアの味が細麺には絡まり切らずにボソボソしている場所があった。それでも胡桃と赤ピーマンのペストーはまったりとコクのあるチーズの味が美味しくて、学が冷蔵庫で見つけて切ったトマトと一緒に男三人であっと言う間に平らげた。
「ハルカ、今日バイトは?」
食事も終わり、空いた皿を学がシンクに運んでいた。それを手伝おうと立ち上がった悠をいいから、と手で制して歩が悠に問い掛けた。
「――ん、ある。六時から」
「終わったらまたうちへおいで? 食事用意するから。――良ければお母さんも誘って」
「え? ……うん、言ってみる」
「ハルカバイト行くのかよ?」
聞き付けた学がキッチンから驚いたように聞いた。
「――うん、行く」
「やめとけよ」
「ごめんサトル、行くよ」
小さい声だけど、はっきりと答えた。
学は唇を尖らせたが、それ以上何も言わなかった。
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←1から読む
野田学について(*´∀`)
叔父:野田歩(あーちゃん)
父 :野田進
『野田学、10歳。好きな人がいます。 』
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「あーちゃん……」
「もうゆがいちゃったし、ソースも開けちゃったし、これでいいだろ?」
「いいけどさぁ……」
「――なに?」
「いや何でもねぇっす……」
そんな二人が少し可笑しくて、思わず笑みが零れた。
「あ、ハルカ。ダイジョブ?」
悠に気付いた学が明るい声を投げ掛けた。
「おはようハルカ。ハルカは座ってていいよ。もうすぐできるから」
「うん……」
歩からも何もなかったかのように優しく言葉を掛けられて、まだ少しの羞恥を残しながらも悠はほっと、緊張を解いた。
勝手の分からない悠が手伝いに入ると返って邪魔かとも思い、歩に言われた通り素直にダイニングテーブルに着く。
椅子に座って対面式のキッチンで食事の準備をする二人を頬杖をついて眺めた。危なっかしい手付きで麺を上げる歩の手元に学が慌てて皿を差し出す。良いコンビなのかそうでもないのか、叔父と甥のそんな関係に少し妬けるような気もするけれど、食事の支度に必死な二人の様子に悠の心がゆるりと、温かく解れてゆくのを感じた。
二人が苦心して用意したパスタは先刻学が言っていた通りソースがショート向きだったらしく濃厚故に伸びなくて、恐らく慎治が買ってきたんだろうせっかくの本場イタリアの味が細麺には絡まり切らずにボソボソしている場所があった。それでも胡桃と赤ピーマンのペストーはまったりとコクのあるチーズの味が美味しくて、学が冷蔵庫で見つけて切ったトマトと一緒に男三人であっと言う間に平らげた。
「ハルカ、今日バイトは?」
食事も終わり、空いた皿を学がシンクに運んでいた。それを手伝おうと立ち上がった悠をいいから、と手で制して歩が悠に問い掛けた。
「――ん、ある。六時から」
「終わったらまたうちへおいで? 食事用意するから。――良ければお母さんも誘って」
「え? ……うん、言ってみる」
「ハルカバイト行くのかよ?」
聞き付けた学がキッチンから驚いたように聞いた。
「――うん、行く」
「やめとけよ」
「ごめんサトル、行くよ」
小さい声だけど、はっきりと答えた。
学は唇を尖らせたが、それ以上何も言わなかった。
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野田学について(*´∀`)
叔父:野田歩(あーちゃん)
父 :野田進
『野田学、10歳。好きな人がいます。 』
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コメント
なんか、こういうさりげない日々の営みの描写も
ほんわかして萌えますネ (´д`;;)
「営み」って自分で書いてコーフンしてる私って・・・orz
ほんわかして萌えますネ (´д`;;)
「営み」って自分で書いてコーフンしてる私って・・・orz
2008/10/01(水) 00:35 | URL | カサンドラ #mQop/nM.[ 編集]
>カサンドラさんv
あざあざあざあざすっ
くっついたならとっとと終われ、って声が聞こえなくもないんですがw
いくつか浮かんでは消える(消える?)シチュをあと少しだけこなして
フェードアウトするように終わりたいとおもいます(゚∀゚)アヒャ
自己満満々で書き進めてますが
よろしければお付き合いの程よろすくおながいします(*´∀`)
フツウのオトコノコたちの恋愛ダイスキハァハァなので
私も営み、夜に限らず昼夜問わずハァハァですwwwwwww
(*´∀`)人(´∀`*)
あざあざあざあざすっ
くっついたならとっとと終われ、って声が聞こえなくもないんですがw
いくつか浮かんでは消える(消える?)シチュをあと少しだけこなして
フェードアウトするように終わりたいとおもいます(゚∀゚)アヒャ
自己満満々で書き進めてますが
よろしければお付き合いの程よろすくおながいします(*´∀`)
フツウのオトコノコたちの恋愛ダイスキハァハァなので
私も営み、夜に限らず昼夜問わずハァハァですwwwwwww
(*´∀`)人(´∀`*)
>Tさんv
コメまりがとんございますーーーっ!
キュンキュンありますかありがとうございます(´Д⊂ヽ
私はそんなTさんからのコメにキュン☆
あと少しで終わりですがよろしければ
これからもお越し&お付き合いいただければウレシスです(*´∀`)
>o-iさんv
たった2日でどん底(?)と天国を見たハルカですwwwwww
ちょwwwwwww昨日流した涙返してwwwwwwwwな勢いすwwwwwww
更に言うとちょwwww昨日の心配返してwwwwwwwwなあゆしんだたーり(゚∀゚)アヒャ
ソースは旨いもん好き慎治(脳内設定より)が輸入食材コーナーから買ってきた
フードマイレージが高いためお値段もやたらお高い食材だったイメージすwwwww
(色々文章力不足によりアレですいませwwwwwworz)
ハルママを呼ぶのは3連荘であゆしん邸に入り浸るのもさすがに心配だろうと
この家にハルカを泊めました的に軽くお披露目(?)する目的なだけで
特に深い意図があるわけでなくwwwwwwwwwww
でも思いがけずサトルがやらかす……予定は未定であわわわわ
またギリの予約でポン☆
ワッショイあざす!
コメまりがとんございますーーーっ!
キュンキュンありますかありがとうございます(´Д⊂ヽ
私はそんなTさんからのコメにキュン☆
あと少しで終わりですがよろしければ
これからもお越し&お付き合いいただければウレシスです(*´∀`)
>o-iさんv
たった2日でどん底(?)と天国を見たハルカですwwwwww
ちょwwwwwww昨日流した涙返してwwwwwwwwな勢いすwwwwwww
更に言うとちょwwww昨日の心配返してwwwwwwwwなあゆしんだたーり(゚∀゚)アヒャ
ソースは旨いもん好き慎治(脳内設定より)が輸入食材コーナーから買ってきた
フードマイレージが高いためお値段もやたらお高い食材だったイメージすwwwww
(色々文章力不足によりアレですいませwwwwwworz)
ハルママを呼ぶのは3連荘であゆしん邸に入り浸るのもさすがに心配だろうと
この家にハルカを泊めました的に軽くお披露目(?)する目的なだけで
特に深い意図があるわけでなくwwwwwwwwwww
でも思いがけずサトルがやらかす……予定は未定であわわわわ
またギリの予約でポン☆
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