十二月二四日、夜八時（11）（R18）

「ぁ……、は、……慎治さ……も……」

　さっきイかされてからは肝心な場所にはどこにも触れられないまま、それなのに俺はじりじりと限界近くにまで追い詰められていた。自分の身体がもうどこにあるのかさえ分からない位の、浮遊感。さっきからもうずっと、頭の奥がジンジンと甘く痺れて思考を焼き続けている。

「んっ……ふ……」

　閉じる事すら忘れていた俺の口に、不意に慎治さんの指が差し込まれた。指の腹が舌の表面を撫でる。

「ぁ……ん……」

　長く口寂しかったからか、俺の舌は夢中で慎治さんの指に絡み付いて、自ら愛撫を求めた。

「歩、お前エロいって……」

　俺の舌の求めに指で応えながら、慎治さんが耳元で囁いてそのままキスを落とす。エロい？　俺が……？　慎治さんが、じゃなく……？　朦朧とそんな事を考えて、抗議の気持ちを首を緩く左右に振る事で訴えたら、慎治さんは少し笑って俺の耳を噛んだ。

　口から慎治さんの指が取り去られて、俺の口端からは一筋、唾液が零れて顎を伝い落ちる。すぐに後ろから腰を掴まれ、背後の窄まりに俺の唾液で濡れた慎治さんの指がそっと宛てがわれた。

「は……っ……」

　吐精で熟れた粘膜は、少しの刺激にも過剰なまでに反応してびくり、と身体が痙攣する。そこへつぷり、と慎治さんの指が入り込んできた。

「あっ、……っ、ん……」

　先刻解された襞は慎治さんの指を難なく飲み込み、それどころか慎治さんを逃すまいと俺の中が蠢く。加えて、表面に生暖かい、粘膜の感覚。慎治さん、それ舌……？

「んっ、ちょ……それ……」

　身体が羞恥に燃え上がる。まだ羞恥心が残ってた事にも驚きながら、顔をシーツに埋めた。
　中で慎治さんの指がゆっくり回りながら、隙間から慎治さんの舌が挿し込まれる。唾液が送り込まれ、指が動く度くちゅ、と更に羞恥を煽る音が部屋に響く。さっき教え込まれたばかりの場所を指で掠められると、堪え切れずに俺の猛りの先端からは、先走る透明の体液が零れた。

「あっ、慎治さん、も……慎治さん、が、欲し……っ」

　びくびくと身体を震わせながら、とうとう俺は観念した。



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