十二月二四日、夜八時（12）（R18）

　慎治さんが俺の中に指を残したまま身体を起こした。

「歩お前……今日俺の事殺す気だろ……エロすぎ」

　興奮を抑えたような震える声でそんな事を言って、慎治さんは俺の中の指をギリギリまで引き抜き、もう一本増やしてまた指を挿し込んだ。増えた質量より、まだ慎治さん自身が入って来ない事に身体が焦れて目尻に涙が浮かぶ。俺の中のその指は、また中で少しずつ俺を拡げながら、ゆっくりと出入りした。

「ぁ、慎治さ、っもぅ……は、やく……」

　もう充分過ぎる程に解され、それ以上に焦らされた背後は慎治さんを今すぐ受け入れたいと願ってさえいる。慎治さんの真意が分からなくて、身体を捻って振り返った。潤む視界に慎治さんを捉え、目で訴える。腕を伸ばして慎治さんの猛りに触れると、そこは熱く屹立していた。

「お前な……も……理性飛びそ……」

　慎治さんは、恐ろしい程色っぽい表情で笑って、猛りに触れる俺の手を取った。そのまま指先にキスをして、そっとシーツの上に置いた。

「充分解したとは思うけど、痛くしたら……」

　ごめん、と小さく言い置いて、俺の中から慎治さんの指が去って行く。背後が不意に収縮して背筋が粟立つ。腰を掴み直され高く持ち上げられて、後孔に熱が宛てがわれた。

「ぁ……、……」

　慎治さんが、少しずつ入ってくる。柔らかく解され、熟れた俺の中は慎治さんをしっとりと押し包み、奥へと導こうと波打つ。慎治さんはそれを緩く振り切って少し引き抜き、かと思えばさっきより少し深く押し入ってくる。

　普段閉ざしているはずの場所を内側から拡げられる圧迫感。慎治さんと繋がってるという実感に胸がぎゅ、と音を立てて震えた。全神経が慎治さんを求めている。もっと深く、身体の芯で心ごと慎治さんに触れたい。

「……っは、……慎治さん……」

　片腕を上げて、俺の腰を掴む慎治さんの手の上に俺の手を重ねた。手の甲を握り、指を立てる。そういえば初めて慎治さんとした時、慎治さんもやっぱりこうやって俺の手を握った。身体を張って投げやりだった俺を受け止めた慎治さんは、あの時からずっと俺に優しかったんだと、ふと思った。





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