にしがひがしに（６）（R18)

「木戸っ……、はよ、触って……」
「ん……」

　唇を離したくないらしい木戸が、ぴちゃ、と湿った音を部屋に響かせて太一の舌と唇を、執拗なまでに何度も食んでキスを続ける。木戸は探るように太一の下肢に手を伸ばし、片手でジーンズの前を寛げた。下着の上から握られると、それだけでびく、と身体が震えた。靴を脱がされた時に両膝を立てたそのままの格好で、足を開いて腿で木戸を挟み込む。

「あっ、木戸、も、ちゃんと、……っ」

　早くも限界近くにまで昂ぶった身体。霞む思考の中で、それでも木戸と共に達したいと、太一も木戸の下肢に手を伸ばす。太一はいつも、木戸のように器用には木戸の服を脱がす事ができずにいた。それを知っている木戸は自らベルトに手を掛けて、ジッパーを下ろす。

　下着をずらして取り出した互いの雄を触れ合わせた。先走りの蜜に濡れた先端は押し付ける程滑って逃げようとする。それを逃さないよう木戸が、二人の雄を纏めてやんわりと握った。

「あ、ぁ、木戸……っ」

　官能に震え顎が跳ねても、容赦なく太一の唇は塞がれた。

「ん、んっ、ん」

　木戸の首をかき抱いて、腰を突き上げて下肢を擦り付ける。

「一週間、どんだけお前とこうしたかったと思てんねん……」
「そん、なん、……俺かて、んっ、ぁ、イきた、木戸っ」
「あかん」
「ぁっ、やっ、んっ」

　吐精を阻むように太一の根元が木戸の手によって戒められる。それなのに吐精を促すように、木戸の猛りが太一の幹を擦る。

「……太一、出さんとイってみ」
「んっ、な、に言うて……っ？」
「服、脱がしたるから自分で根元握れよ」

　ほら、と腕を掴まれ下肢に手を置いた。太一の手を包むように上から手を添えられ、自ら己の根元を握る。不意に、木戸の身体が離れた。いつの間にかキツく閉じていた目を薄く開けて木戸を伺う。木戸はまず自分が着ていた物を全て脱ぎ捨て、それから太一のジーンズの両裾を掴んだ。掴んだ両裾を少し高く持ち上げて、一気に太一のジーンズを引き抜いた。

「んっ、ぁっ」

　ジーンズが抜けた途端両脚がベッドに落ち、ベッドの弾力で跳ねる。木戸はそれを気にも留めない様子で下着に手を掛け、それも一気に抜き去った。

「上は、自分で脱ぐ？」
「んっ、や……」
「自分で握ってたら袖抜けへんやろ？」

　ココ、と少し含ませて笑って、木戸が根元を握る太一の手の下からまた太一を握り締めた。





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