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コイゴコロ(完結)(リーマン年下攻)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 そしてもう一つ。

 坂崎はフロアの出口に視線を馳せた。

坂崎と陣内の想いが互いに通じ合う以前、石田が陣内を連れて、そこから二人でどこかへ行くのを見た。その向こうは、石田が陣内に好きだと伝えるために陣内と石田が共に入った部屋、資料室へと続く廊下。結局石田はフラれたし、陣内に訊いてもその密室で石田と何もなかった、と答える。


 けれども。




件名:元気か?

本文:坂崎は多分元気だろう(笑)
   陣内さんは元気か?
   俺みたいな出来の悪い新人の面倒見て
   疲れでまた熱出したりしてないか心配だ。
   俺はこっちでも人の世話になりながらなんとかやってる。
   それにしても暑い(笑)

   追伸
   俺が出発直前に言った事、忘れてないよな?
   仲良くな(笑)





 目覚めたのは、ベッドの中だった。意識が遠のき坂崎に抱き抱えられてベッドに運ばれたのをぼんやりと覚えている。運ばれた先で、朦朧とした意識の中でもまた坂崎に行為をねだった。結局何度イったのか分からない。繰り返された行為で後孔が軋む。坂崎がまだ体内に居るかのような行為の名残。その余韻を確かめるように背後に意識を遣ると、粘膜が擦れてぞくりと全身が震えた。

※性描写アリです。18禁でおながいします。

「陣内さん……」

 坂崎がまだ少し遠慮がちに陣内の背に腕を回す。坂崎の腕に包まれて、その心地よさに心と身体が弛んでゆく。陣内も坂崎を抱き締め返した。

「坂崎、言うの遅くなってごめん……俺、坂崎の事が好きだよ。他の誰でもなくお前と、一緒に同じ時間を重ねて行きたいと思ってる」
「陣内さん……」

 陣内を抱き締める腕の力が強くなる。その息苦しさすら心地良くて、陣内は静かに目を閉じた。


「――ただいま」

 こんなに小さな声なのに寒々しい一人暮らしの玄関には耳に痛いくらいに自分の声が響く。陣内はよろよろと寝室に入ると、背広を脱ぎ捨てて力なくベッドに横たわった。


 無人の喫煙室に二人は以前より少し離れた距離を取って椅子に座った。自分の男を奪った張本人に黙って付いて来た自分に半ば呆れながら、不貞腐れた顔で石田を睨み付ける。その視線に苦笑を返し、石田はワイシャツの胸ポケットから取り出した煙草に火を点けた。

「なんかボロボロだな、坂崎」
「お陰様で」

 坂崎もヨレたワイシャツの胸ポケットから煙草を取り出し、火を点けながら嫌味たっぷりに答える。

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