主よ、人の望みの喜びよ（９）（R15）

「慎治さん、俺の事……」
「……ホントの事言ってガキは俺の好みじゃねんだよ」

　嘘を紡ぐ事を拒む身体から、言葉を搾り出す。

「嘘だろっ！？」

　胸座を掴まれ、噛み付くように唇が重ねられた。

「んっ、……っ」

　唇がこじ開けられ、歩の舌が入り込んでくる。押し返すように歩の胸を押すと、より強く引き寄せられ、衣服の前を力任せに引き裂かれた。その拍子にワイシャツのボタンが弾けて飛んだ。

「そんなの、認めねぇ」

　歩の瞳が、くすんだ金属のように鈍く光った。

「歩、……っ」

　みぞおちに一発、歩の拳が入った。一瞬、呼吸が止まった所を引きずられ、上半身を俯せでベッドに縫い付けられた。背を押さえ付けられ、ネクタイは首に残したままワイシャツが脱がされる。手首まで取り去ったそれで、後ろ手で手首を一つに纏め上げられた。歩が背後から慎治に両腕を回し、まるで自分が脱ぐかのような手つきで慎治のベルトを緩め、ズボンの前を寛げた。

「歩おまっ……」

　――俺を犯る気か。

　それも良いかも知れない。犯した失敗を、歩に罰される。それが自己満足であったとしても。歩の荒んだ獣のような衝動を、この身体で受け止めて。――それで終わりだ。

　慎治は目を閉じた。






イタタス(；´Д｀)
普段甘々（？）ｴﾁｰばっか書いてるんでかなり苦戦しとります(；´Д｀)
ダイジョブでしょか、よろしければ最後までお付き合いヨロです。


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