※15禁でおながいします。
「違……」
「じゃあなんだよ位織さんっ」
「っ、……」
気付いたら、尚大の腕の中だった。
激した力。
位織の心まで踏み込んで、抱き締めるかのように。
「違……」
「じゃあなんだよ位織さんっ」
「っ、……」
気付いたら、尚大の腕の中だった。
激した力。
位織の心まで踏み込んで、抱き締めるかのように。
じゃな、と二人に背を向けたまま片手を軽く上げて、梁瀬は一人、駅の方へと歩いていった。
「――位織さん」
梁瀬の背をじっと見送る位織に、尚大が声を掛けた。
「ここから俺んちと位織さんち、どっちが近いの」
「――え?」
「話。早くしたい」
「……、尚大の部屋」
実のところ位織の部屋の方が近い。けれどもまだ、新しく始めるつもりで借りた部屋を、尚大の名残りで満たしたくはなかった。
「――位織さん」
梁瀬の背をじっと見送る位織に、尚大が声を掛けた。
「ここから俺んちと位織さんち、どっちが近いの」
「――え?」
「話。早くしたい」
「……、尚大の部屋」
実のところ位織の部屋の方が近い。けれどもまだ、新しく始めるつもりで借りた部屋を、尚大の名残りで満たしたくはなかった。
すぐ後ろにまで近付いたエンジン音に気おされたかのように、二人は歩みを止めた。まさか、と位織はゆっくりと振り返った。
確かにそれは、尚大の車だった。
「尚大……」
小さく名を呟くとまた、動けなくなる。
「位織さんっ」
バン、とドアを叩きつけるように閉じて、尚大が位織の元に駆け寄ってきた。
確かにそれは、尚大の車だった。
「尚大……」
小さく名を呟くとまた、動けなくなる。
「位織さんっ」
バン、とドアを叩きつけるように閉じて、尚大が位織の元に駆け寄ってきた。
あるいは互いに重い付き合いを好まないと、最初に告白し合ってしまったこと。
最初に交わした暗黙の取り決めに、二人共が縛られ過ぎて来たのかもしれない。
いずれにしても、二人が恋人同士のような関係になるには、割り切った関係である期間が長過ぎた。
「これでケリ、付いたのかな、……」
一度ゆっくり瞬きして、位織は笑った。確かに笑ったのに、歯が噛み合わずに震えた。
最初に交わした暗黙の取り決めに、二人共が縛られ過ぎて来たのかもしれない。
いずれにしても、二人が恋人同士のような関係になるには、割り切った関係である期間が長過ぎた。
「これでケリ、付いたのかな、……」
一度ゆっくり瞬きして、位織は笑った。確かに笑ったのに、歯が噛み合わずに震えた。