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尚大×位織(社会人年下攻)(完結)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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※そろそろ15禁でおながいします。





 着たままだった尚大のシャツの裾から手のひらを差し入れ、尚大の背に直に触れた。張りのあるその肌を確かめるように背骨を辿ると、ゆっくりとしなやかに、尚大の背が撓(たわ)んだ。

 僅かに身体を離し、見つめ合う。まだ涙を残す頬をそっと、尚大が拭った。

「……ごめん尚大。俺、重いよな……。それを知られたら、尚大はもう俺のとこに来なくなるかも知れないと思って……」

「うん、ごめん……ごめん位織さん。位織さんが何も言わねぇのを良いことに俺、何も見てなかった……。俺、位織さんにスゲェ甘えてきた」

 尚大が、位織の背を撫でる。その優しい仕草に、今まで感じたことのない安堵のような、穏やかな感情の波が身体中に広がる。心と身体がゆったりと、凪いでゆく。

「尚大」
「……、……なに」
「尚大が、俺のことが必要だって。それさえ言ってくれれば俺は……」

 尚大の心にまで届いて欲しい。

 優しく、言い聞かせるように、言葉を紡いだ。

「尚大が好きだって言ってた、ナツメって子に新しい恋人ができるたび、好きだって言えないままその子を抱くたび、尚大は傷付いて。でもそしたら俺のところに来てくれたからね」
「位織さん……」
「ずっと、それで良かったんだ」
「じゃあなんで……」

 尚大からの連絡を断ったのか。

 どうして今までのままではいられないのか。

 きっと尚大が一番聞きたかったこと。その答えは。

「位織さんはいつでも、こうやって俺を抱き締めてくれてたんだ、よね……」
「尚大……」

 ――そうだよ尚大、俺はいつでも。……尚大を待ってた。

 位織を包み込むことさえできるその長身を。いつも、位織が抱き締めて癒してきた。そして、それが位織の喜びだった。

 俯せのまま肌を床に密着させると、まだ熱を孕んだままの身体にその冷たさが心地好かった。

 疲労と、ここ数週間にも及ぶ不眠で、身体が重い。

 ぼんやりと尚大を見上げると、位織の白濁で濡れた手を拭いもせずに、膝立ちで呆然と位織を見下ろすその視線とぶつかった。

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