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主よ、人の望みの喜びよ(13_歩)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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※性描写含みます。18禁でおながいします。

主よ、人の望みの喜びよ(13)の歩視点です。
慎治視点と合わせてお読みいただけるとウレシスですv





 ゆっくりと深く息を吐いて、俺は慎治さんの中から身を引いた。

「……っ、……」

 そっと慎治さんから手を離すと、慎治さんは小さな呻き声と共にぐったりとベッドに崩れ落ちた。

 真っ赤だった俺の視界に、少しずつ色が戻ってくる。

 後ろ手に縛られ、痛々しい格好で横たわる慎治さんの姿が浮かび上がった。慎治さんをこんなにしたのは、誰だ。呆然と慎治さんを見下ろしながら、慎治さんの腕に絡まる布を注意深く取り去った。

 汗と血と、内股を伝うのは――俺の出したモノ。

 ――慎治さんの身体を綺麗にしないと。

 俺は部屋を出て洗面所に向かった。洗面台の横にタオルが片付けられてある。一枚取ってそれを濡らして絞り、慎治さんの元へ戻った。慎治さんが動けなくなるくらいに無茶してしまった時いつも、そうするように。

 血の気を無くした慎治さんの顔を覗き込む。慎治さんの身体をタオルで拭こうと遠慮がちに伸ばした俺の手を、慎治さんは重そうな腕を上げて払い除けた。

「歩」
「……なに」
「もう、ここには来るな」
「……なんでだよ……」
「たったこの一言でこんなになっちまう位、お前はコドモなんだよ」
「……っ」

 引導を渡された。

 これを言うために慎治さんは俺にされるままになった? ――そんなにしてまで俺と。

 自己嫌悪にも似た後悔と、やり場のない悔しさで、持っていたタオルを床に投げ付けた。不意に目が熱くなる。想いと涙が溢れ出す前に、腕でそれを塞き止めた。

 ――この部屋を、出ねぇと。

 俺は慎治さんに背を向けて、そのまま部屋を後にした。





8から13まで続けてきました歩・慎治それぞれの視点、これで終了す!
次から進みます。よろしければ引き続きお付き合いどぞよろすくおねがいします!



慎治視点(13)を読む
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