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主よ、人の望みの喜びよ(26)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 そのまま床に押し倒された。火照る身体には床の固さより、その冷たさがむしろ気持ち良い。腰骨に歩の熱を感じながら、歩の手と唇で、全身を愛される。体内にこんな熱さを湛えておきながら、歩のするままに身体を任せる受け身な自分が嘘のようで恥かしさに身体が煽られる。けれどもこんな幸せがあったんだと、噛み締めながら歩の髪をそっと撫でた。

「慎治さん床、痛い?」

 耳元にキスを落としながら歩が問い掛ける。歩の吐息と声が、鼓膜を伝って身体の中まで愛撫する。その度に震える身体。きっと、すぐにイってしまうだろうという予感。

「……いや、冷たくて気持ちイイ」

 歩の優しい問いには緩く首を振って答え、歩の頬に手を添えてまた、唇を重ねた。

 キスで互いを求め合いながら、下肢に纏ったものを脱がし合う。最後は二人で蹴るように穿いていたものを取り去ると、裸で二人向かい合って足を絡め、雄同士を重ね合わせた。

「慎治さん……」

 キスと愛撫の狭間に、歩が話し掛ける。

「ん……」
「慎治さんは、どうしてたの」

 背を撫でる歩の掌が、少しずつ下へと下ろされてゆく。それだけで、触れられる期待に背後がいやらしく震えるのを感じる。

「……別に、普通だよ」
「誰かとした?」

 双丘を割って、歩の指先が後孔を撫でた。乾いた指で、そこを何度も柔らかく押す。

「んっ、してねぇよ。できるワケねぇだろ……」

 ――こんなにお前だけを求めてるのに。

 こんなに心ごと、感じる事を知ってしまった身体は、歩以外の手によって震える事はもう、今後もきっとないだろう。

「慎治さん、少し痩せたね」
「んなワケねぇ……。さっきもカツ丼食ってきたって」

 淡々と過ごした日々。眠れない夜を幾夜も過ごした。それでもどこかで歩が幸せでいてくれさえすれば。それが全てだった。仕事柄最低限の身なりは整えてはきたが、それ以上自分を構う事は、もうずっと忘れていた。言われれば、確かに痩せたのかも知れない。

 一旦背後から手を引いた歩が己の唾液で指先を濡らした。そして再び背後に指先を宛てがって、襞の周囲に潤いを移した。

「慎治さん……」

 ごめん、と言い置いて、歩は濡れた指先を、慎治の後孔にぐ、と挿し込んだ。



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